最近注目されるウェルビーイングは、私たちの人生にどのように役立つのだろうか。
古代ギリシャから続く「幸福とは」という問いに対し、哲学者たちはさまざまな答えを提示してきた。
・エピクロスの「アタラクシア(心の平穏・苦痛の不在)」
・アリストテレスの「エウダイモニア(徳に基づいた自己実現)」
・ストア派哲学「幸せは自分の考え方に依存する」
かつては抽象的だった幸福も、現代では科学の進展により、その正体が少しずつ解明されつつある。
これら歴史的な幸福の概念に加え、心身の良好な状態を包括する言葉として「ウェルビーイング」が使われることもある。
つまり、ウェルビーイングを理解することは、より良い人生を送るヒントになる。
この記事では、ウェルビーイングを自己理解に活用するための6つの枠組みを紹介したい。
✅この記事の概要
- ウェルビーイングとは何か
- ①主観的ウェルビーイング(SWB)
- ②心理的ウェルビーイング(PWB)
- ③ポジティブ心理学による多次元モデル(PERMA)
- ④日本人の因子による幸福モデル(前野隆司の4因子)
- ⑤モチベーションのウェルビーイング(自己決定理論)
- ⑥統計データのウェルビーイング(ギャラップ社調査)
この記事は、以下の文献やサイトを参考に執筆しています。1
また、学術論文の解説そのものを目的としたものではありません。
あくまで知見を個人の自己理解に活用する際の、試行錯誤の記録としてお読みください。
目次
ウェルビーイングとは何か?
そもそもウェルビーイングとは何だろうか?
個人、社会での「持続的によい状態」
ウェルビーイングにはさまざまな意味が含まれ、研究によって多少異なる定義が用いられている。
健康・幸福・福祉・自己実現・充足感・社会との関わり
共通点は、どの定義でも「人間的に良い状態」を示していることだ。
重要な視点として、ウェルビーイングは「個人の幸福」だけを測る指標ではないという点が挙げられる。
経営や福祉など、社会的側面や環境との関わりも含まれる。
たとえば、働きがいのある職場、支え合うコミュニティ、生活環境の整備などもウェルビーイングに寄与する。
ウェルビーイングに関連する用語
ウェルビーイングは、単なる「気分の良さ」や「一時的な幸福」だけでなく、人生全体の充実を含む概念である。
ここでウェルビーイングが包括し、かつ関連する言葉を整理すると次の通りだ。
ハピネス(Happiness):日常の快楽や喜びといった、一時的な幸福感。
ヘドニア(Hedonia):快楽主義的な幸福。快・楽しさ・心地よさを重視する。
エウダイモニア(Eudaimonia):幸福主義的な幸福。意味や成長、自己実現を重視する。
フラーリッシング(Flourishing):人生全体の満足や成長を含む概念。
このように、ウェルビーイングは単なる快楽や感情の良し悪しにとどまらない。
個人の成長、社会的関係、人生の意味といった複合的な要素を含む概念として理解される。
感情を軸にしたウェルビーイング
ウェルビーイング研究の中には、人の感情や満足感を中心に捉えるアプローチがある。
その代表的な概念が「主観的ウェルビーイング(Subjective Well-Being)」である。
主観的ウェルビーイング(SWB)
主観的ウェルビーイング(SWB)は、幸福研究の先駆者であるエド・ディナーが提唱した概念だ。
SWBは、自分自身の人生をどのように評価し、どのような感情を抱いているかに焦点を当てる。
これは、客観的な成功や環境条件ではなく「本人の主観的な感じ方」を重視する点に特徴がある。
そのため、同じ状況に置かれていても、人によってウェルビーイングの高さは異なり得る。
SWBを構成する3要素
SWBは、主に次の3つの要素から構成されると考えられている。
人生満足度:これまでの人生や現在の生活全体に対する認知的な評価。
ポジティブ感情:喜び、楽しさ、安心感など、前向きな感情をどの程度感じているか。
ネガティブ感情:不安、悲しみ、怒りといった感情をどの程度経験しているか。
SWBでは、ポジティブで、不安感情が少なく、人生に満足している状態が、高いウェルビーイングとして捉えられる。
この考え方は、幸福を比較的シンプルに測定できるため、大規模調査や国際比較において広く用いられてきた。
ただし、SWBはウェルビーイングではなく、へドニア(瞬間的な幸福)を測っているのではないかという議論もある。
まとめると
「どれくらい満足しているか」「どんな感情を感じているか」という主観的な感覚から幸福を捉える枠組み
成長と意味のウェルビーイング
ウェルビーイング研究には、感情や満足感だけでなく、人としての成長や生き方の意味に注目する視点もある。
その代表的な概念が「心理的ウェルビーイング(Psychological Well-Being)」である。
心理的ウェルビーイング(PWB)
心理的ウェルビーイング(PWB)は、アメリカの心理学者キャロル・D・リフによって提唱された概念だ。
PWBは、感情の良し悪しではなく、人生をどう生きているか、どのように自己を発展させているかに焦点を当てる。
そのため、SWBのような「気分」や「満足度」を中心とした幸福観とは異なる。
PWBの6次元モデル
リフ博士は、心理的ウェルビーイングを構成する要素として、次の6つの次元を提示した。
自律性(Autonomy):周囲に流されすぎず、自分の価値観に基づいて行動できている。
環境制御力(Environmental Mastery):生活環境を主体的に整え、状況にうまく対処できている。
個人的成長(Personal Growth):経験を通じて、自分が成長し続けていると感じている。
良い他者関係(Positive Relations with Others):他者と信頼に基づいた関係を築けている。
人生の目的(Purpose in Life):人生に意味や方向性を感じられている。
自己受容(Self-Acceptance):自分の長所も短所も含めて、ありのままの自分を受け入れている。
これらの次元は、「気分が良いかどうか」よりも、「納得のいく生き方ができているか」を重視している。
すなわち、PWBは「意味、成長、自己実現」といったエウダイモニア(良い人生)の側面からウェルビーイングを捉える。
まとめると
自己受容や成長、人生の意味といった「生き方の質」から、持続的な充実を捉えるモデル。
ポジティブ心理学による多次元モデル
ウェルビーイング研究の中でも、特に広く知られている学問分野に「ポジティブ心理学」がある。
ポジティブ心理学は、従来の幸福論(主観的・心理的)に留まらず、より広い視点で幸福を整理する。
この学問は「多次元的で持続的な幸福(フラーリッシング)」を科学的に探究することを目的としている。
へドニアの側面(快楽主義)とエウダイモニアの側面(幸福主義)の両方も含む
代表的な理論モデル:PERMA
ポジティブ心理学の創設者であるマーティン・セリグマンは、ウェルビーイングを構成する要素として、次の5つを提唱した。
Positive Emotion(ポジティブ感情):日常の中で前向きな感情を感じられていること。
Engagement(エンゲージメント):自分の強みや関心を活かし、活動に没頭できている状態。
Relationships(関係性):信頼や思いやりに基づいた、良好な人間関係があること。
Meaning(意味・意義):人生や行動が、価値あるものにつながっていると感じられること。
Accomplishment(達成):目標に向かって努力し、達成感や成長を実感できていること。
セリグマンは、ウェルビーイングを「直接測定することはできない天気のようなもの」だと説明している。
例えば「今日の天気はどうですか?」と聞かれても「なんとなく良い天気です」とは答えない。
PERMA理論の5要素は、天気そのものではなく、気温・湿度・風速・気圧といった構成要素だ。
「良い天気(ウェルビーイング)」は、これらの構成要素を確認した上で総合的に判断される。
また、ポジティブ心理学で考案された、実際に診断を受けられる強みテストが存在する。
強み診断ツール『VIA-IS』一般社団法人 日本ポジティブ教育協会
この「VIAの強み」を使うことでPERMAの要素(特にE・M・A)が高まりやすいという実践関係だ。
ちなみに、エンゲージメントは、いわゆる「フロー状態」を中心とした概念である。
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ポジティブ感情を増やす考え方
PERMA理論の中心的な考え方のひとつは、「ポジティブ感情を高めること」にある。
これは、不安やストレスといったネガティブな経験を単に減らすという発想ではない。
それらを上回るポジティブな感情体験を、日常の中で積み重ねていくという視点である。
一方で、PERMA理論は、個人の主体性や達成を重視する文化的背景の中で整理されてきた側面もある。
そのため、ポジティブな感情や関係、成功といった要素が、やや強調されていると捉えられる場合もある。
例えば、ポジティブ感情の感じやすさには、「生まれ持った気質」も影響すると考えられている。
※パーソナリティ心理学・ビッグファイブ理論における「外向性」
そのため、内向的な人にとっては、必ずしも当てはまりやすいとは限らない。
まとめると
ポジティブ感情・没頭・人間関係・意味・達成という5つの要素から、人生の充実や幸福を捉えるモデル。
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価値の転換|第二次ポジティブ心理学
こうした第一世代ポジティブ心理学へのカウンターとして提唱されたのが「第二次ポジティブ心理学」である。
その中心的な研究者として、カナダのポール・T・ウォン博士や、ロンドンのティム・ローマスが挙げられる。
彼らは「従来のポジティブ心理学は、ネガティブな感情や苦しみを軽視してきたのではないか」と指摘している。
悲しみや不安、喪失感といった感情の中にも、人を成長させたり、人生に深みを与えたりする力があるという立場だ。
日本人の因子とウェルビーイング
日本のウェルビーイング研究の第一人者の一人に、前野隆司がいる。
前野教授は、インターネットを用いたWebアンケート調査を行い、約1500人を対象に因子分析を実施した。
その分析結果として示されたのが「4つの因子」である。
前野隆司による「幸せの4因子」
やってみよう因子:自分の興味や価値観に基づいて、新しいことに挑戦しようとする姿勢。
ありがとう因子:人とのつながりの中で、感謝や思いやりを感じられていること。
なんとかなる因子:将来を悲観せず「やっていける」という前向きな見通しを持てていること。
ありのまま因子:他人と比較しすぎることなく、自分自身をそのまま受け入れられている感覚。
特徴的なのは、行動を促す前向きさ(やってみよう)と、楽観性(なんとかなる)という2つの姿勢である。
また、多くのウェルビーイング理論と同様に、他者との良い関係性(ありがとう)も重視している。
まとめると
行動・人間関係・楽観性・自己受容という「日常の姿勢」から、幸福を捉え直すモデル
PERMAモデルとの違い
この理論の特徴は、「日本人の研究者によって、日本人を対象に行われた調査」である点にある。
構成自体は、セリグマンによるPERMAモデルと非常によく似ている。
しかし、自己受容を示す「ありのまま」が、独立した因子として明示されている点に違いがある。
やってみよう因子:エンゲージメント(E)達成(A)
ありがとう因子:関係性(R)ポジティブ感情(P)
なんとかなる因子:ポジティブ感情(P)
ありのまま因子:該当なし(独立因子として扱われない)
この点について前野教授は、セリグマン本人との対談の中で、その理由を尋ねたと語っている。
アメリカでは「自分らしさ」を持つことが前提とされており、あえて因子として取り上げなかった
また、PERMAモデルには日本にはない「意味・意義(Meaning)」という要素が含まれている。
前野教授はこの点について「生きる意味を強く問う姿勢は、欧米的な個人主義の影響が大きい」と考察している。
モチベーションとウェルビーイング
ウェルビーイングは「気分の良さ」だけで決まるものではない。
人が日々どんな動機で行動しているか、つまりモチベーションの質は、長期的な充実感や成長と深く結びついている。
自己決定理論(SDT)とは
自己決定理論(Self-Determination Theory: SDT)は、動機づけ研究の中心的な心理学理論である。
人がなぜ行動し、どのように成長し、幸福を感じるのかを説明している。
この理論は、モチベーションを「量」ではなく、自分の内側から湧いているかという「質」で捉える点にある。
SDTでは、人は自律的に行動できていることを高く評価する。
その状態では、意欲が持続しやすく、ストレスが少なく、ウェルビーイングが高まりやすいからだ。
3つの基本的欲求と内発的動機づけ
自己決定理論では、人が健やかに生きるために欠かせない心理的欲求として、次の3つが示されている。
自律性:自分で選び、自分の意思で行動していると感じられること。
有能感:成長している、役に立っていると実感できること。
関係性:人とのつながりや、受け入れられているという安心感。
これらの欲求が満たされるほど、行動は「やらされている」という動機が薄くなる。
すなわち、自分がやりたいから行う内発的動機づけへと近づいていく。
内発的動機付け
「好きだから、面白いから、やってみたいから」といった「行動そのものが楽しい」と感じる状態。
「お金、地位、名誉」などの自分の外側にある動機は「外発的動機づけ」と言われている。
内発的に動けている状態では、没頭や学習、粘り強さが生まれやすい。
結果として日常の満足度や人生全体のウェルビーイングも高まりやすい。
つまりSDTは、ウェルビーイングを「内側から支えるエンジン」を説明する理論だと言える。
行動の「理由」が日常の質を左右する
同じ行動でも「なぜそれをしているのか」によって、感じる疲労感や満足感は大きく異なる。
評価や義務だけで動いている状態が続くと、短期的な成果は出ても、消耗や無力感につながりやすい。
自分なりの意味や納得感を持って行動できていると、日々の積み重ねがそのままウェルビーイングの土台となる。
まとめると
自分で選び、成長を感じ、人とつながりながら行動できている状態
これは派手な成功や強い幸福感とは違うが、長く続く「穏やかな充実感」を支える重要な要素である。
モチベーションのあり方を見直すことは、日常のウェルビーイングを整えるためのアプローチと言える。
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統計データで捉えるウェルビーイング
アメリカの調査・分析会社であるギャラップ社では、ウェルビーイングを対象とした大規模な因子分析が行われている。
その特徴は、長期間・大規模・国際比較という条件を満たした、徹底した調査設計にある。
調査開始:2005年~現在(毎年継続調査)
対象国・地域:世界160以上の国と地域
調査人数:1カ国あたり約1,000人(人口の多い国では2,000人以上)
人口カバー率:世界の成人人口の約99%
What Is Employee Wellbeing?(公式解説)
How Does the Gallup World Poll Work?(調査手法の詳細)
膨大なデータをもとに社会全体の傾向を捉える「統計的・社会調査的なアプローチ」を取っているのが特徴だ。
このように、ギャラップ社の調査は心理学的な考え方とは少し視点が異なる。
ギャラップ社が示す5つのウェルビーイング
この長期かつ大規模な調査から、ウェルビーイングは次の5つの要素に整理できることが示されている。
Career(キャリア):日々取り組んでいる活動に意味や満足を感じている。
Social(ソーシャル):人生において支え合える人間関係や愛情がある。
Financial(フィナンシャル):経済的な生活を適切に管理できている。
Physical(フィジカル):日常を送るための十分な健康とエネルギーがある。
Community(コミュニティ):住んでいる地域と関わり、そこに帰属意識や誇りを持っている。
仕事(活動)・人間関係・経済・健康・地域という5つの領域は、互いに影響し合っている。
それらが噛み合うことで、日々の充実感と将来への安心感の両立が生まれる。
それがギャラップ社の定義するウェルビーイングだ。
経済・関係・健康といった「現実的な指標」
ギャラップ社の指標は、経済状況や身体的健康など、生活の土台となる非常に現実的な要素を含んでいる。
まとめると
日々に充足を感じ、良好な人間関係を持ち、経済的な不安が少なく、健康的で、地域社会とつながっている状態
繰り返すがこれは、膨大な回答数に基づいて整理された統計データである。
そのため、個人の主観的な「幸福感」を捉える指標として比較的高い信頼性を持つ。
もっとも、質問形式による受け取り方の違いや、文化的背景によるバイアスは避けられない。
あくまで、幸福を測るための一つの枠組みであり「絶対的な真理」ではない点には留意したい。
まとめ|ウェルビーイング理論を活用する
ここまで6つのウェルビーイング理論を見てきたが、すべての理論を簡単にまとめると次のようになる。
各理論まとめ
- SWB(主観的ウェルビーイング)
-
日々の感情や人生満足度など、主観的体験に注目。
- PWB(心理的ウェルビーイング)
-
自己成長・人生の意味・自己受容など、「生き方の質」に注目。
- PERMA(ポジティブ心理学)
-
ポジティブ感情・没頭・関係性・意味・達成の多次元モデル。
- 前野隆司の4因子
-
やってみよう・ありがとう・なんとかなる・ありのままの姿勢を重視。
- 自己決定理論(SDT)
-
自律性・有能感・関係性という内発的動機づけがウェルビーイングを支える。
- ギャラップ社の統計モデル
-
仕事・人間関係・経済・健康・地域など、現実的条件が幸福感に影響。
多種多様な理論を紐解いていくと、1つの共通した要素が浮かび上がる。
「自分の感情や行動、関係性、環境を大切にしながら、日々少しずつ成長すること」
どの理論が正解とは言えない。生まれつきの気質や文化、立場の違いなど、様々な要因が影響するからだ。
しかし、この共通した「自分」を軸に生きることが、ウェルビーイングに寄与すると私は考えている。
内向型のためのウェルビーイング理論
ここからは、紹介した諸理論を「内向型」の視点で読み解いた、筆者独自の解釈です。
これらのウェルビーイング理論には「外向的な振る舞いを高く評価するバイアス」もあると私は感じている。
例えば、ポジティブ心理学で強調される楽観性や社交性は、典型的な外向型の強みだ。
エッセンス(没頭や意味・意義)は内向型も等しく享受できる
たしかに、「大切だと思う価値」に対しては、外向型のように振舞うこともできることが示唆されている。
自由特性理論(Free Trait Theory)
しかし、内向型が直面する「社交による消耗」などの課題への処方箋は、自分で見つける必要がある。
一方で、多くのウェルビーイング理論で示されている通り『豊かな人間関係』は幸福度に直結する。
それは決して『外向型のように振る舞うこと』と同義ではないはずだ。
内向型でも取り入れやすいのは、PWB(心理的ウェルビーイング)や自己決定理論である。
さらに、現実的な条件を重視したギャラップ社の統計モデルも参考になる。
ここまで紹介してきた理論は、どれも科学的に裏付けられた有用な枠組みだ。
しかし実際には「理論は理解できたが、日常でどう使えばいいのかわからない」と感じる人も少なくない。
特に内向型の人は、人間関係・刺激量・エネルギー消耗といった点でつまずきやすい。
こうした背景から、私は独自に「内向型の私が幸福に生きるにはどうすればよいか」を考えた。
そして「内向型が自分らしく生きるためのウェルビーイング論」として昇華させたのが『内向型11の指針』である。
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私の生存戦略|内向型11の指針
あなたは「自分らしくいられない息苦しさ」を感じたことがないだろうか? 私は、長いあいだ生きづらさを抱え、何度も立ち止まってきた経験がある。 「私には価値がない…
内向型11の指針/概要
〔土台:安心して生きる基盤〕
〇 健康維持:心・体・つながりが満たされたウェルビーイングを追求する。
〇 経済安定:お金を「自律の道具」とし、比較に頼らない最適化を追求する。
〔軸:自己の確立〕
〇 自己受容:弱さも含めて自分をそのまま認め、否定から自由になる。
〇 自己理解:性質・価値観・反応の仕組みを知り、ぶれない自分軸を育てる。
〔環境・関係:エネルギー戦略〕
〇 環境選択:エネルギーを奪わない場所を選び、最適な刺激量で過ごす。
〇 関係選択:深い関係を大切にし、自分をすり減らさない距離感を持つ。
〔適応・接続:孤独とつながり〕
〇 孤独適応:1人の時間を力に変え、内的資源を育てながら整える。
〇 社会接続:無理なく関わり、貢献感を通して社会とゆるやかにつながる。
〔推進力:人生の潤い〕
〇 静かな挑戦:他者と比較せず、自分の歩幅で小さな成長を積み重ねる。
〇 小さな幸福:日常の微細な喜びに気づき、心の栄養を満たす。
〇 創出力:内側の思考や感情を外に流し、世界との接点をつくる。
免責事項
私は心理学や医療の専門家ではなく、診断や助言を行う立場にはありません。
本記事は研究や書籍、筆者の経験をもとにした参考情報です。
内容を鵜呑みにせず、必ずご自身の状況や体調と照らし合わせてお読みください。
もし違和感や不安がある場合は、公認心理師や臨床心理士などの専門家への相談もご検討ください。
具体的な相談先については、ページ下部の相談窓口にも詳しくまとめています。
参考文献
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