クロどんなテーマから読みたいニャ?
クロどんなテーマから読みたいニャ?

「あの人は協調性がない」
そんな言葉を耳にしたことが、誰にでも一度はあるのではないだろうか。
あるいは逆に、自分が「協調性がない」と言われて、少し落ち込んでしまった経験があるかもしれない。
けれど、協調性という性格特性には生まれつきの要因、つまり遺伝も深く関わっていることが、現代心理学の研究からわかっている。
他者の心の状態にどれほど注意を向け、共感しようとするかを示す性格特性。
現代心理学で用いられるビッグファイブ理論では、人間の性格は「外向性・神経症傾向・誠実性・開放性・協調性」の5つの因子に集約される。
このうち「協調性(Agreeableness)」は、他人との関係をどのように築くかに関わる要素である。
では協調性が低い人は「社会ではどうしようもない人」なのか?──答えはNOである。
この記事では
①協調性がない人の特徴と関わり方
②「協調性がない」と言われてしまった人へ
③ 筆者自身の協調性の傾向
という3つの視点から、協調性を科学的にひもといていく。



協調性の低さも、立派な個性ニャ。
✅この記事の概要
この記事では、こちらの文献1を参考にしています。
まず協調性とはなにかを、現代心理学から見ていこう
一般的に言われる協調性と心理学で定義される協調性は、実は少し違う。
ただし根本の考え方は同じだ。すなわち「他者の心」にどれほど注意を向けるか。
たとえば、グループ活動や集団から距離を置く人は「協調性が低い」と見られがちだ。
しかしそれは、あくまでもその瞬間の行動であり、性格の本質ではない。
このような誤解を生むのは「ハロー効果」と呼ばれる心理的偏りである。
1つの印象的な特徴や行動から、他の側面まで同じように良い/悪いと判断してしまう心理のこと。
たとえば「集団に関わらない=協調性がない」と思い込んでしまうのも、その一例である。
本当の意味で協調性は「他者の状態」に「自分の心がどれほど反応するか」で決まる。
つまり、協調性の反対は「自分中心性(エゴイズム)」である。
ビッグファイブ理論は、現代心理学で最も広く使われている性格モデルの一つである。
この理論では、5つの主要因子のそれぞれに、さらに細かな「下位因子(ファセット)」が存在する。
国際的に用いられている協調性の下位因子は、以下の6つである。
この6つの要素は、大きく分けると次の2つの側面を持つ。
ただし、ビッグファイブ理論でいう協調性を理解するときには少し注意が必要だ。
心理学では、他者の心を読み取る力をメンタライジング(心の理論)と呼ぶが、これは協調性とは別の心理的機能である。
つまり、ビッグファイブにおける「協調性」と「他者の心を理解する力」は必ずしも一致しない。
両者は部分的に重なりつつも、独立した側面を持っている。
たとえばサイコパス傾向のある人は、他人の心を読み取る能力(メンタライジング)は高い。
しかし共感性は極めて低く、他人を操作することはできても、思いやることはない。



協調性が低い=サイコパスってわけでもないからややこしいニャ。
また「男性より女性の方が共感能力が高い」と言われている通り、統計では女性の方が協調性が高い傾向にある。


単刀直入に言えば、協調性には遺伝的な影響がある。
ビッグファイブ理論をもとにした双生児研究では、協調性の遺伝率はおよそ30〜50%と報告されている。(研究によって差がある)
つまり、協調性の約半分は「生まれつきの傾向」であり、残りは「環境によって形づくられる部分」である。
ただし、協調性の研究は他の性格因子よりも難しい。
それは協調性が「社会的な行動」と「内面の動機」という二面性を持つからだ。
たとえば外向性(刺激への敏感さ)や神経症傾向(情動の強さ)、誠実性(自己コントロール力)は、成果や健康などの結果と結びつけやすい。
しかし協調性は成果や成績と直結しにくい。つまり「測りにくい性格特性」なのである。
協調性の高低を理解するには、数字ではなく「他者への関心の質」や「関係をどう築くか」といった、行動の文脈を見ることが欠かせない。
科学とは「高い普遍性と再現性の追求」である。
ゆえに、バイアスのかかる人間の行動から「その人の心理」を正確に数字で表すことは難しいのだ。



それでも理論化に成功しているから心理学者はすごいニャ…
では「協調性がない」と言われる人には、どんな特徴があるのだろうか。
「協調性がない人は冷たい人なのか?」──そうとは限らない。
心理学には「他者配慮選好」という概念がある。これは「人は理由がなくても他人に優しくしようとする傾向」を指す理論だ。
協調性が低い人は自己中心性が高く、他者配慮選好が低い傾向にあるとされるが、それが必ずしも欠点になるわけではない。
協調性が低いということは「他人の感情に流されない」という素晴らしい利点でもある。
むしろ、場面によっては「ポリティカル・コレクトネス」に近い働きをすることもある。
立場や背景の異なる人々を公平に扱うために、感情よりも論理や中立性を重視する態度のこと。公平性の意識。
協調性が低い人は、ロジックや効率、独立性を重視しやすく、思ったことを率直に伝える傾向がある。
その結果として「協力的ではない」「冷たい」と見られてしまうことがある。
しかし、協調性が低い人を「冷たい人」と定義するには、さらに熟考や恐怖心の欠如、無関心といった特徴を足さねばならない。
たとえば、協調性が低くてもよく考える人は「これは良くないことだ」と理性的に判断できる。
また、他人に冷たく見られることを恐れる気持ちも「冷たいと見られる行動」を抑える働きを持つ。
真に冷たい人とは「共感性の欠如」「他者を無視した行動」「罪悪感の欠如」といった特徴が見られる人のことだ。
結局のところ「協調性が高いかどうか」は外からは単純に判断できない。本人の内側にある動機を知らなければ、本当の意味では分からないのだ。



心理学における「冷たい人」の定義はもっと重いニャ。
では、協調性がない人とどのように関わればいいのだろうか?
協調性が低い人は、「共感」よりも「合理性」や「目的の明確さ」を重視する傾向がある。
そのため、感情的に「お願い」するよりも、「あなたにとってもメリットがある」と伝えるほうが納得して動きやすい。
これは「フレーミング効果」と呼ばれる心理的バイアスで、人の行動選択に影響を与える方法だ。
たとえば、「みんなでやろう」よりも「この方法なら効率が上がる」と伝えるほうが効果的だ。
協調ではなく合理性に訴えることで、衝突を減らし、相手との信頼を築きやすくなる。
協調性が低い人は、自分の考えに筋を通すタイプが多い。いわゆる「頑固」な傾向がある。
だからこそ、意見の食い違いを「勝ち負け」で終わらせようとすると関係がこじれやすい。
「なるほど、そう考える理由があるんですね」と、一度受け止めるだけでも相手の警戒心は下がる。
人は誰でも「自分が正しいと思う情報」を集めたがる傾向がある。これは「確証バイアス」と呼ばれる心理だ。
協調性が低い人はこの確証バイアスがやや強く働きやすい。そのため、頑固に見えてしまうことがある。
だからこそ、相手の意見を否定するのではなく「あなたは間違っていない」と理解を示すことが大切だ。
相手の確証バイアスを一度肯定すれば、対立は生まれにくくなる。
共感ではなく尊重でつながる。それが、協調性の違う人とうまく関わるコツだ。
心理学でいう「冷たい人」は想像以上に厳密な定義があり、実際にはごく少数しか存在しない。
つまり「冷たく見える行動=冷たい人」ではないということだ。
たとえば、感情表現が控えめだったり、他人に深入りしないだけのこともある。
むしろ、一定の距離を保つことで相手の自由を尊重している場合もある。
「この人は冷たい」と感じたときは、その裏にある考え方や、相手なりの優しさを想像してみよう。
ラベルを貼ることは自分の思考を止めてしまう。
これは「ハロー効果」と呼ばれる心理的バイアスで、一つの印象から相手全体を決めつけてしまう現象だ。


たとえば職場で、1人の協調性の低さがチーム全体の雰囲気に影響している場合は対処が必要だ。
そのようなときは「個人で完結できる仕事」や「自分の裁量で動ける業務」を任せてみるのも一つの方法である。
協調性が低い人は、合理性や独立性を重んじる傾向がある。
そのため、チームでの調整よりも明確な目標と自由度の高い環境のほうが力を発揮しやすい。
つまり、協調性が低い=扱いにくいではなく「活かし方を変えるだけ」で関係性は大きく変わる。
協調性は生まれ持った性格特性のひとつであり、努力だけで根本から変えるのは難しい。
だからこそ「変わってもらう」よりも「相手の特性に合わせた距離感を取る」ほうが現実的だ。
お互いに心地よい関係を築くには「理解」と「境界線」を上手に使い分けることが大切になる。
そして、自分に合わないと感じたら、距離を取ることも立派な選択だ。
協調性が高いこと自体は適応力に繋がるが、高すぎると「自分の意思より相手の希望を優先しやすい」という偏りが生まれる。
つまり、自己犠牲的になる。
① 反対意見を言えなくなる:場を乱さないことを重視し、自分の主張を控えがち。
② 要望を受け入れすぎる:相手に配慮しすぎて、選択が他者寄りになる。
③ 公平より「調和」を優先する:論理的な正しさより、角の立たない結論を好む。
社会では「優しい人」で通るかもしれないが、適切な環境選びや自己主張をしないと心は摩耗していく。
性質とはトレードオフの関係で、長所と短所が必ずあると私は考えている。
適度な自己主張を取り入れることで、協調性はより健全に機能する。



優しさと自己主張は両立するニャ。
ここからは、「協調性がない」と言われて戸惑ったり落ち込んでしまった人に向けて。
まず知っておいてほしいのは「協調性がない」と言われることが、必ずしも事実とは限らないということだ。
協調性は、行動の一部だけを切り取って判断されがちだ。
たとえば「意見をはっきり言う。1人で考える」こうした行動が誤解を招くこともある。
しかし、それは「協調性がない」からではなく、思考の深さや独立性が高いだけのこともある。
人間関係は「表面上の協調」よりも「相互理解」によって成り立つ。
行動から性格を決めつけてしまうのは「対応バイアス」と呼ばれる心理的な錯覚であり、相手の理解の問題だ。
もしあなたの行動だけで「協調性がない」と言われても、気にしなくてもいいのだ。



相互理解が大切ニャ。
他人から指摘されて、もしくは自覚的に「自分って冷たいのかも」と思うことがあるかもしれない。
しかし「自分は冷たいかもしれない」と気づけることこそが、もっとも大切な視点だ。
それは自分の道徳的な立場を理解しているということ。つまり、あなたは本質的に冷たい人間ではない。
協調性が高い人は「良い」とされがちだが、他人に気を使いすぎて自分の意思を抑えてしまうという欠点もある。
「協調性が低いこと」は他人に流されずに物事を判断できる力でもある。
その部分をどう活かせるかを考えてみると、あなたらしさがより見えてくる。
「協調性がないのは欠点ではない」と言われても、感情論だけでは限界がある。
ここでは実際にできる具体的な対処法を整理してみよう。
ビッグファイブ理論には「外向性・神経症傾向・協調性・誠実性・開放性」という5つの因子がある。
これらは、それぞれが独立した性格特性として設計されている。
ただし、外向性の中には「友好性」や「社交性」といった下位因子が存在する。これは「親しみやすさ」や「積極的な関わり」といった傾向を表すものだ。
一見すると協調性と似ているように思えるが、実際にはまったく別の概念である。
つまり、「内向的=協調性が低い」「外向的=協調性が高い」といったイメージは誤りだ。
外向性が低い、つまり内向型の人は「一人の時間を大切にする」傾向がある。
これは「人と距離を置く」行動に見えるため、周囲には「協調性がない」と誤解されることもある。
しかし内向型の人は、他者を嫌っているわけではない。むしろ、静かな関係性を重んじる傾向がある。
外向性は「刺激への反応性」、協調性は「他者の感情への関心」。それぞれまったく別の次元の話なのだ。



内向的でも協調的な人、いっぱいいるニャ。


「共感能力が高い」と言われるHSPにも触れておこう。協調性におけるHSP研究は、実のところかなり複雑だ。
HSPは一般に「共感能力が高い」と言われるが、ビッグファイブ理論における協調性との関連研究では、明確な相関が見られない場合もある。
共感能力が高い=協調性が高いとは限らない。 この2つは似ているようで、実はまったく別の心理メカニズムに基づいている。
私の考えでは、これはHSPの持つ「情動の強さ」や「共感疲労」といった側面が影響しているのかもしれない。


ここからは、私自身のビッグファイブ診断結果をもとに、「協調性」という特性をもう少し具体的に見ていこうと思う。
使用した診断はこちら👉オープンソースのBigFiveTest (診断:2025/9)
国際基準(IPIP)に基づいて設計されており、心理学的にも信頼性の高いツールである。
協調性 81:人と調和しようとする傾向が強い。
信頼の低さは、過去の人間関係での失敗やいじめなどの経験が影響している。いわば「警戒心としての慎重さ」だ。
一方で、道徳性や協力が高いのは、物語を通して「正しさとは何か」を考え続けてきた影響が大きいと感じる。
ただし、他者への感情移入は少ない。これは警戒心や生まれつきの特性によるものかもしれない。
これまでの結果をまとめると、私は他者をすぐには信頼しないし、強い共感も抱かない。
一方で、道徳性が高く、協力も惜しまない。他者を助けることは当然のことだし、謙虚であろうと努めている。
私の生き方は「誰かに対して誠実でありたい」という願いに支えられている。
だからこそ感情よりも「誠実な態度」を重視する傾向がある。その姿勢は一見すると「冷たい」と映るかもしれない。
実際には「自分の感情よりも正しさを選び、他者の感情には配慮する」というハイブリッドタイプの優しさなのだと思う。



社会で生き抜く「サバイバル戦術」ともいえるニャ
正直に言えば、私は他者に「深い興味を抱くこと」があまりない。
それでも、人に優しくしたいと思うし、心が動いたときには涙を流すこともある。特に感動系の物語ではすぐに泣く
共感の形は人の数だけある。感情で寄り添う人もいれば、行動で支える人もいる。どちらも立派な他者配慮だ。
たとえ他人に誤解されても、自分が正しいと思える行動を取れていれば、それでいいと私は思っている。
私はHSPを自称しているが、「興味を抱かない」というのはHSPとは正反対の特性だ。
これは、生まれつきの傾向としての「こだわりの強さ」
あるいは過去の経験など、さまざまな要因が複雑に絡み合っている可能性を示している。


協調性がないことは、決して欠点ではない。
ただし、協調性の低さが原因で場の調和が乱れている場合には、適切な対処が求められる。
一方で、「協調性が低い」と言われたとしても、それはあなたの本質を否定する言葉ではない。
大切なのは、なぜそのように見られたのかを冷静に捉え、自分の内面と向き合っていくことだ。
✅ この記事のまとめ
✨協調性がない人の対処方法
✨「協調性がない」と指摘されたときは
本記事は筆者の経験や公開された研究・書籍をもとにまとめた参考情報です。
内容を鵜呑みにせず、ご自身の状況や感覚と照らし合わせてお読みください。
ここで紹介する内容は、あくまで自己理解のヒントに過ぎません。
専門的な判断や緊急の対応については、ページ下部に記載した相談窓口もあわせてご確認ください。


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