クロどんなテーマから読みたいニャ?
クロどんなテーマから読みたいニャ?

「MBTI」と聞くと、まっさきに思い浮かぶのは「性格診断」だろう。
しかし近年のMBTIブームには、次のような誤解が広がっている。
これらは主に、検索上位に出てくる16PersonalitiesというMBTIとは別物の診断サイトが原因で広まったものだ。
そもそも本物のMBTI診断はネット上に存在しない。なぜなら、MBTIの核心である認知機能はWeb診断では測れないからだ。
さらに「科学的根拠がないエセ心理学だ」という批判もある。
ただし、これは半分正しく、学術的には限界があると指摘されている。
それでもMBTIは世界中で使われ続けている。それは「自己理解と他者理解」を助けるコミュニケーションツールとして価値があるからだ。
この記事では、MBTIをめぐる誤解を解きほぐし、相性診断ブームの落とし穴を考えた上で、本来の正しい活用法を紹介する。
✅ この記事の概要


本記事のタイプ解説やキャッチコピーは、MBTI®公式マニュアルに基づいたものではありません。
参考文献(MBTIへのいざない1)をもとに、読者向けに分かりやすく編集しています。
そのため、実際の診断や専門家の解釈とは異なる場合があります。自己理解や参考用の読み物としてご活用ください。
なお、本記事の執筆者はMBTI認定ユーザーではありません。公式診断を希望する場合は、専門機関での受検をご検討ください。
MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)は、ユング心理学の外向・内向の概念を基盤に、アメリカの母娘マイヤーズとブリッグスによって開発された。
現代でも人材配置や教育現場で導入され、その後は世界各国に広まっている。
しかし、科学が発展した現代では問題もある。
現代心理学の立場からは「心理測定学的な信頼性は限定的」と言われ、16タイプという枠組みに十分な実証的根拠はない。
カレッジサプリ「MBTIは心理測定学的に信頼できるツールなのか?→微妙という結論」(2025年1月27日)
また、MBTIは「外向か内向か」といったように二分法で白黒を分ける仕組みである。
これは「中間にいる人」や「状況によって変わる側面」を十分に表せないという批判に繋がる。
こうした限界を持ちながらも、MBTIは、なぜここまで広く使われているのだろうか?
これは、MBTIの狙いが「個々の違いを理解し、教育や職場での適応を助けること」にあるからだ。
したがってMBTIは「性格診断」として用いるのではなく、自己洞察や他者理解のヒントとして活用するのが適切である。



※実はSNSの大流行は「かなり不健全」であることも後述するニャ。
もしあなたが【正しい性格診断】を求めるなら、ビッグファイブなど現代心理学のモデルがおすすめだ。


MBTIの本質は「自分と他者を理解し、お互いの違う部分を受け入れる」ことにある。
16タイプという枠組みは単なるラベルではなく、人が情報をどう受け取り、どのように意思決定するかを理解するための視点を与えてくれる。
つまり、MBTIは自己洞察のための鏡であり、人間関係を円滑にするための共通言語として役立つのである。
よくある誤解:「MBTIは性格診断である」
実際には:教育や職場で用いられるのは、コミュニケーションを円滑にする共通言語
特に内向型やHSPの人にとっては、MBTIを通じて「人前で話すのが苦手」「刺激に敏感」といった、これまで劣等感に感じていた部分を見直すことができる。
それは「実は深い思考力や感受性といった素質の一面だった」と理解できることにつながり、大きな助けになる。



劣等感だと思ってたことが、じつは宝物の一部だったりするニャ。
したがってMBTIは「相性占い」や「固定的な診断」としてではなく、日常生活や人間関係に活かす自己理解ツールとして活用するのが望ましい。
MBTIが重視している点のひとつに「最終的な自分のタイプは自分で決める」という考え方がある。
これは、認定ユーザーとの対話や体験セッションを通して、自分や他者との違いを理解していくプロセスを重視しているためだ。
MBTIは森の中の道しるべのようなもの。いくつかの分かれ道を示し、「あなたはこの道をよく通る傾向があるね」と教えてくれる。
けれど、どの道を進むかを選ぶのは、あくまで自分自身だ。
なぜなら人の内面は、環境や経験、価値観によって変化し、外から見ただけではわからない深い部分を持っているからである。
このような特徴から、MBTIは厳密には「性格診断」ではなく、自己理解を深めるためのガイドといえる。
MBTIは「外向/内向」「感覚/直観」「思考/感情」「判断/知覚」の4つの指標を組み合わせて、16タイプを導き出す仕組みになっている。
それぞれの指標は、あなたがどう行動し、どう考え、どんなときに心地よさを感じるかを示す「性格の軸」といえる。
では順番にチェックしていこう。



チェックボックスもあるから、自分に当てはめながら見てほしいニャ。


MBTIの「外向(E)」と「内向(I)」は、単に「社交的か、人見知りか」という性格の表面を表すものではない。
これはエネルギーをどこから得るかを示している。
外向型(Extraversion/E)は、人と話したり活動したりする中でエネルギーを充電するタイプ。イベントや人の多い場に出かけると元気になる。
内向型(Introversion/I)は、一人で過ごしたり、落ち着いた環境にいることでエネルギーを充電するタイプ。読書や散歩など静かな時間で回復する。
つまり「外向=にぎやかな場で元気になる」「内向=静かな時間で元気になる」と考えるとわかりやすい。



あなたはどっちニャ? にぎやか派? それとも一人時間派ニャ?
MBTIの「感覚(S)」と「直観(N)」は、目の前の情報をどう受け取りやすいかを表している。
感覚型(Sensing/S)は、五感から得られる情報や事実を重視するタイプ。「今ここにあるもの」「確かなデータ」に安心感を覚える。
直観型(iNtuition/N)は、目に見える事実の裏にある可能性やパターンを重視するタイプ。「将来どうなるか」「全体のつながり」にワクワクする。
つまり「感覚=現実や具体を重視」「直観=未来や可能性を重視」と考えるとわかりやすい。
感覚(S)と直観(N)は「知覚機能」と呼ばれ、世界から情報をどう受け取るかを表す。
判断を下すのではなく、材料を集める役割のため「非合理機能」とも言われる。



あなたはどっちニャ? 今ある事実を見る派? それとも未来の可能性を思い描く派ニャ?
MBTIの「思考(T)」と「感情(F)」は、物事を判断するときにどんな基準を重視するかを表している。
思考型(Thinking/T)は、物事を論理や合理性で判断するタイプ。「正しいか・間違っているか」「効率的かどうか」を基準に考える。
感情型(Feeling/F)は、人との調和や価値観を重視して判断するタイプ。「人がどう感じるか」「大切にしたい価値観」に基づいて考える。
つまり「思考=論理で決める」「感情=人や価値で決める」と考えるとわかりやすい。
思考(T)と感情(F)は「判断機能」と呼ばれ、集めた情報をどう整理し、どう結論を出すかを示す。
一定の基準で物事を選び取るため「合理機能」とも呼ばれる。



あなたはどっちニャ? 論理派? それとも人の気持ち派ニャ?
MBTIの「判断(J)」と「知覚(P)」は、日常生活や仕事を進めるときにどんなスタイルで取り組むかを表している。
判断型(Judging/J)は、計画的に物事を進めるのが得意なタイプ。スケジュールやルールに沿って進めると安心できる。
知覚型(Perceiving/P)は、柔軟に対応するのが得意なタイプ。状況に合わせて選択肢を広げたり、その場の流れに乗ることで力を発揮する。
つまり「判断=計画的に進める」「知覚=柔軟に動く」と考えるとわかりやすい。



あなたはどっちニャ? 計画通りに動きたい派? それとも流れに任せる派ニャ?
ここまで紹介してきた4つの指標から、あなたの組み合わせが見えてきたと思うが、ここで注意が必要だ。
4つの指標を自分に当てはめてみて「どっちかな?」と悩んだ人も多いはずだ。
それも当然で、MBTIは白黒ハッキリ分けるものではなく、両方の側面を誰もが持っている。
MBTIのタイプは「確定的な診断」ではない。選ばなかった方の特徴もあなたの中にあり、あくまで今の傾向を測るものとして理解するのが大切。



運営者は「INFJ」タイプだったニャ。
このまま16タイプの特徴を紹介してもいいのだが、ちょっと待ってほしい。
MBTIにはもうひとつ、大事な考え方がある。それが4つの認知機能だ。
難しそうに思えるかもしれないが、ここを知っておくと「16タイプの説明がなぜそうなっているのか」が腑に落ちやすくなる。
MBTIでは、誰もが4つの役割を持つ認知機能を使っているとされる。それが「主機能」「補助機能」「第三機能」「劣等機能」だ。
この認知機能こそが、Web上の簡易診断だけでは測りきれない部分であり、本来は認定ユーザーとのセッションが必要とされる理由でもある。


主機能は、その人の性格を形づくる中心であり、一番よく使う「得意技」のようなもの。
子どもの頃から自然に発達し、無意識でも使いこなしていることが多い。
外向型(E)の人は、この主機能が外の世界に表れやすく、人からも見えやすい。内向型(I)の人は、主機能が内面で強く働き、自分の内的な軸として使うことが多い。
たとえば内向型のINFJなら「内向的直観(Ni)」が主機能となり、目に見えないパターンを洞察する力が軸になる。
一方で外向型のENTJなら「外向的思考(Te)」が主機能となり、論理的に物事を仕切るのが得意。
主機能ばかりを使いすぎると、他の機能が育たず偏りがちになる。そのため、補助機能とのバランスが大切だ。



主機能はゲームでいう「メイン武器」みたいなものニャ。自然と一番使いやすいけど、それだけに頼ると他の武器が育たないニャ。
補助機能は、主機能を支えてバランスを取る「相棒」のような存在。主機能が得意分野に偏りすぎないように調整してくれる。
思考型なら感情(F)が補助に入り、論理優先で忘れがちな人間関係を支える。
直観型なら感覚(S)が補助に入り、空想に偏りすぎないよう現実感を与えてくれる。
また、主機能が外向なら補助機能は内向、主機能が内向なら補助機能は外向という関係になっている。
たとえば外向型のENTJは「内向的直観(Ni)」が補助機能となり、論理的に進めるだけでなく未来のビジョンを描く力を支える。
内向型のINFJは「外向的感情(Fe)」が補助機能で、深い洞察(Ni)に加えて、人とのつながりや調和を大切にする力を発揮する。
補助機能は主機能ほど安定していないため、表に出ているときは誤解を招きやすい。
中心とは少しズレているのに、あたかも本質そのもののように見られてしまうのだ。
その結果、内向型は「内気・暗い」と思われたり、外向型は「考えが浅い」と誤解されることがある。



補助機能はゲームでいう「サブ武器」ニャ。メイン武器だけだと戦いにくい場面も、サブがあると安心ニャ。
第三機能は、主機能や補助機能ほど成熟していないが、実は私たちの日常的な「ちょっとした反応」に表れやすい部分だ。
だからこそ、ちょっと子どもっぽく見えたり、場面によってムラが出たりすることもある。
子どもの頃はほとんど未発達だが、成長とともに少しずつ表れてくる。大人になるにつれ、この機能をどう育てるかが自己成長のカギになる。
たとえば内向型のINTPは「内向的感覚(Si)」が第三機能で、過去の経験や習慣にとらわれやすいが、成長するにつれて安定感や実用性を大切にできるようになる。
逆に外向型のESFJは「外向的直観(Ni)」が第三機能で、普段は現実的だが、ときに未来や意味を考えたくなる瞬間がある。
第三機能は未熟な分、アンバランスさや失敗を招きやすいが、意識して育てれば「自分の幅を広げる力」に変わる。



普段つい出ちゃう反応は、この第三機能の影響かもしれないニャ。まだ発展途上だけど、鍛えれば大きな強みになるニャ。
劣等機能は、普段はほとんど使われず未熟なため、思わぬ形で無意識に暴走し、本人に強い影響を与える。
「劣等」といっても価値が低いわけではなく、単に日常ではあまり使われないという意味にすぎない。
この機能が働くときは多くが無意識の反応として出るため、自分でもコントロールしづらく、葛藤やストレスの原因になることが多い。
たとえば内向型のINTPは「外向的感情(Fe)」が劣等機能で、論理には強いが人間関係や感情表現に不器用さが出やすい。
逆に外向型のESFJは「内向的思考(Ti)」が劣等機能で、人の気持ちはよく汲めても、論理的に切り分けるのが難しくなることがある。
劣等機能は厄介に思えるが、向き合うことで人生の課題や成長につながる「先生」の役割を果たす。



劣等機能はゲームでいう「隠しステージ」ニャ。難しいけどクリアすると一番成長できるニャ。
補償的な使い方:ストレスや劣等感から無意識に出る反応。感情的になったり、普段の自分らしくない言動につながる。
意識的な使い方:苦手さを認めて少しずつ活かす使い方。時間はかかるが、これが自己成長の大きな糧になる。
避け続けると補償的な暴走に振り回されやすいが、意識して取り入れると「新しい視点をくれる先生」に変わる。



劣等機能は、暴れると手に負えないけど、仲良くなれば成長の先生ニャ。
人は誰しも主機能・補助機能・第三機能・劣等機能という4つの役割を持ち、それぞれが心の働きを支えている。
主機能の向き(外向/内向)はタイプ最初の文字(E/I)で決まり、それ以降の機能は外向と内向が交互に現れる。
主機能=内向「得意技」として内側に働く
補助機能=外向「相棒」として外の世界に広がる
第三機能=内向「伸びしろ」として内面的に現れる
劣等機能=外向「苦手な部分」として外の世界で葛藤を生む
これら4つを段階的に統合していくことが、精神的な成熟のプロセスとされる。
つまりMBTIは「今の自分を知る道具」であると同時に、「これからの成長を描く地図」でもある。
ここからは、MBTIが示す16タイプの特徴を紹介していく。
あなたが選んだ4つの指標を組み合わせることで、自分に近いタイプを探せるはずだ。
ただし、タイプは「絶対的な診断」ではなく、あくまで自分を理解するヒントとして活用してほしい。



「I」から始まるタイプは内向型ニャ
主機能:内向的直観(Ni・ひとりで未来や本質を考える力)
補助機能:外向的感情(Fe・人の気持ちや場の空気を読む力)
第三機能:内向的思考(Ti・ひとりで論理を組み立てる力)
劣等機能:外向的感覚(Se・五感で今この瞬間に反応する力)
主機能:内向的感情(Fi・自分の価値観に基づいて判断する力)
補助機能:外向的直観(Ne・可能性やアイデアを広げる力)
第三機能:内向的感覚(Si・過去の経験を参照する力)
劣等機能:外向的思考(Te・客観的に効率を追求する力)
主機能:内向的直観(Ni・未来のビジョンを描く力)
補助機能:外向的思考(Te・効率的に物事を進める力)
第三機能:内向的感情(Fi・自分の価値観を大切にする力)
劣等機能:外向的感覚(Se・現実を五感でとらえる力)
主機能:内向的思考(Ti・論理を組み立てる力)
補助機能:外向的直観(Ne・可能性を広げる力)
第三機能:内向的感覚(Si)
劣等機能:外向的感情(Fe)
主機能:内向的感覚(Si・経験や伝統を大切にする力)
補助機能:外向的感情(Fe・人の気持ちや調和を大切にする力)
第三機能:内向的思考(Ti・論理を整理する力)
劣等機能:外向的直観(Ne・可能性を広げる力)
主機能:内向的感情(Fi・自分の価値観に忠実でいる力)
補助機能:外向的感覚(Se・今この瞬間を楽しむ力)
第三機能:内向的直観(Ni・物事の裏側を感じ取る力)
劣等機能:外向的思考(Te・客観的に効率を求める力)
主機能:内向的感覚(Si・過去の経験を基準に安定を守る力)
補助機能:外向的思考(Te・効率よく物事を進める力)
第三機能:内向的感情(Fi・自分の価値観に忠実でいる力)
劣等機能:外向的直観(Ne・新しい可能性を探る力)
主機能:内向的思考(Ti・物事を論理的に理解する力)
補助機能:外向的感覚(Se・今この瞬間に反応する力)
第三機能:内向的直観(Ni・未来の可能性を考える力)
劣等機能:外向的感情(Fe・人間関係の調和を意識する力)



「E」から始まるタイプが外向型ニャ
主機能:外向的感情(Fe・人の気持ちや場を調和させる力)
補助機能:内向的直観(Ni・未来や本質を洞察する力)
第三機能:外向的感覚(Se・今この瞬間を楽しむ力)
劣等機能:内向的思考(Ti・論理的に整理する力)
主機能:外向的直観(Ne・アイデアを広げる力)
補助機能:内向的感情(Fi・自分の価値観に忠実である力)
第三機能:外向的思考(Te・効率的に行動する力)
劣等機能:内向的感覚(Si・過去の経験を参照する力)
主機能:外向的思考(Te・効率的に組織する力)
補助機能:内向的直観(Ni・未来を見通す力)
第三機能:外向的感覚(Se・今この瞬間をとらえる力)
劣等機能:内向的感情(Fi・自分の価値観に基づく力)
主機能:外向的直観(Ne・新しい可能性を見つける力)
補助機能:内向的思考(Ti・論理を組み立てる力)
第三機能:外向的感情(Fe・人とのつながりを重視する力)
劣等機能:内向的感覚(Si・過去の経験を参照する力)
主機能:外向的感情(Fe・人の気持ちや場の調和を大切にする力)
補助機能:内向的感覚(Si・過去の経験を活かす力)
第三機能:外向的直観(Ne・新しい可能性を広げる力)
劣等機能:内向的思考(Ti・論理を組み立てる力)
主機能:外向的感覚(Se・五感で今を楽しむ力)
補助機能:内向的感情(Fi・自分の価値観を大切にする力)
第三機能:外向的思考(Te・行動を効率化する力)
劣等機能:内向的直観(Ni・未来や本質を見通す力)
主機能:外向的思考(Te・物事を効率よく管理する力)
補助機能:内向的感覚(Si・過去の経験を活かす力)
第三機能:外向的直観(Ne・未来の可能性を探る力)
劣等機能:内向的感情(Fi・自分の価値観を大切にする力)
主機能:外向的感覚(Se・今この瞬間に対応する力)
補助機能:内向的思考(Ti・論理を組み立てる力)
第三機能:外向的感情(Fe・人間関係を調整する力)
劣等機能:内向的直観(Ni・未来を見通す力)
ここに書いてあるのは、各タイプの特徴のごく一部にすぎない。
私が参考にした文献では、タイプごとにもっと多くのヒントが紹介されており、日常生活にも役立てられる内容が隠れている。
以下では、タイプをより深く理解し、実生活に生かすために注目すべき視点をいくつか紹介する。
これらの視点を踏まえて自分自身や周囲を見直すことで、タイプの違いを前向きに活用できるようになるだろう。
ネット上で人気の「16Personalities(16パーソナリティーズ)」は、よくMBTIと混同されるが、実際には全く別のモデルに基づいている。
MBTIはユング心理学を基盤にした4つの指標から16タイプを導き出す仕組みだが、16Personalitiesはビッグファイブ(現代心理学の主要な性格モデル)を再構成したものである。
16Personalitiesは公式サイトにて、ユング理論ではなくビッグファイブを基盤に再構成したモデルであると明言している。
さらに、日本MBTI協会も「MBTIと似た性格診断が出回っている」と注意喚起している。
16Personalities性格診断テストを「MBTI®」だと思って受けられた方へ(日本MBTI協会)
名前や16タイプという枠組みは似ていても、科学的な根拠や設計思想は大きく異なる点に注意が必要だ。
16Personalitiesは信用していいの?
16PersonalitiesはMBTIという言葉を直接使っていないため、グレーな立場にある。ただし「気軽な自己理解ツール」としてなら利用価値はある。
一方で、正確さを求めるならビッグファイブ診断かMBTI公式セッションを受けるのがおすすめだ。
なぜなら、ビッグファイブとユング心理学的タイプ論は本来まったく別の体系(水と油)であり、組み合わせたからといって「最強」になるわけではないからである。
16Personalitiesを含め、ネット上で受けられる診断に「本物のMBTI」は一つもない。
公式のMBTI診断を受ける方法は、日本MBTI協会を通じて申し込む以外に存在しない。
こうした誤解が広がった背景には、SNSや動画サイトでのブームがある。「相性診断」や「占い的コンテンツ」として広まったことで、本来の目的から離れて伝わってしまったのだ。
さらにネット上のMBTI風診断と実際のMBTIが混同され、「心理学的に批判されがち」という印象だけが独り歩きしている。
繰り返しになるが、MBTIとは自分と他者をポジティブに捉え直すための共通言語である。
例えば「MBTIは学術的に妥当じゃない!」と必死に主張する人もいるが、これは「ガラスの靴は落ちたら割れるから、シンデレラの物語は成立しない!」と言っているようなものだ。
情報があふれる現代では、MBTIの魅力や本質がかえって見えにくくなっている。
だが実際のMBTIは、単なる娯楽ツールではなく、教育や組織、自己理解を深めるために開発された専門的なモデルである。



ここまで読んでくれた君なら、もうMBTIの本質が見えているはずニャ。
ネット上ではよく、16Personalitiesの結果から
といった検索がされるが、これらは完全にオカルト的な相性占いにすぎないことを理解してほしい。
そもそもMBTIは「相性」を測るためのツールではない。人間関係の相性をタイプだけで判断すること自体に科学的な根拠はない。
MBTIの基盤となったタイプ論を提唱したユング自身も、人をタイプで考えつつ「すべての人が例外である」と述べている。
MBTIの理念にも「タイプは変わらないものではなく、あくまでも傾向を表すもの」と明記されている。
つまり、タイプを「相性の良し悪し」や「固定されたレッテル」として扱うのは、本来の意図から外れてしまうのだ。
さらに、信頼性のあるビッグファイブ性格診断でさえ、人の特性を連続的にとらえるモデルであり「特性の高さや低さと相性」という発想自体が存在しない。
そのため、16Personalitiesの公式サイトですら「相性」という言葉は使っていない。
「相性を知る」のは占い的で楽しいが、次の理由から私はおすすめしない。
自分を知ることや他者との違いを理解することは人間関係に役立つ。
しかし「相性」を持ち出して自分や相手を型にはめてしまうのは、自己理解や他者理解から大きく後退する行為だ。
論理型(T)と感情型(F)は合わない
内向型(I)と外向型(E)は生活リズムが合わない
同じタイプ同士は理解し合えるから結婚に向いている
これらは一見もっともらしく聞こえるが、実際には「相手の本質をまったく考慮していない」
本当に大切なのは、自身を理解した上で「なぜあの人はそのように考え、行動するのだろうか?」という問いを持つこと。
それこそが他者理解の第一歩になる。
なぜあの人は、会議の場で数字や事実を重視するのだろうか?
なぜあの人は、人の気持ちを優先して結論を出すのだろうか?
なぜあの人は、新しいアイデアにすぐ飛びつくけれど、細部を詰めるのは苦手なのだろうか?
ではMBTIを理解するのに、相性ではない考え方とは一体なんだろうか?
それは「相手の考え方や行動の背景を理解し、肯定すること」だ。
つまり、相手の行動にはその人なりの理由や価値観があると捉えること。
結論を急ぐ人は「効率を重んじる思考」をしているかもしれないし、慎重な人は「過去の経験を大切にしている」だけかもしれない。
そこに優劣や相性の良し悪しはない。あなたも相手も、劣っているところなんて一つもない。
MBTIを相性占いとして消費するのではなく「違いを理解するレンズ」として活用することこそが、本来の使い方といえる。



MBTIは「相性」じゃなく「違いを理解する道具」ニャ。
MBTIは自分の思考や行動のクセを知り、強みや成長のヒントを見つけるためのツールだ。
弱点探しではなく、自分らしさや可能性を再発見するのに役立つ。
例えば、私は自己診断の結果【INFJ】タイプであり、HSPの傾向が特徴・強み・弱点のすべてに表れている。
(HSP要素はブルーマーカーで示す)
主機能:内向的直観(Ni・未来や本質を考える力)
補助機能:外向的感情(Fe・人の気持ちを読む力)
第三機能:内向的思考(Ti・論理を組み立てる力)
劣等機能:外向的感覚(Se・今ここに反応する力)
この振り返りから、私にとっての課題は次のように整理できる。
ちなみにこの課題は、ビッグファイブ診断で得られた課題とほぼ一致していた。
もっとも、これは私の洞察がたまたま重なった可能性もあり、MBTIの妥当性を証明するものではない。
それでも「自己洞察を深める実用的な枠組み」としては十分に機能し、私にとって有益だったと言える。
参考・関連記事




もちろん、これはあくまで簡易診断の洞察にすぎない。
専門のMBTIセッションに参加すれば、さらに深く自分を理解できるだろうし、自己探求の旅はここから広がっていく。
あなたにとっての「タイプの物語」を、改めて見直すきっかけにしてみてはどうだろうか。
MBTIは「相性」を決めつけるものではなく、相手の考え方や行動の背景を理解するレンズとして役立つ。
相手をタイプで分類するのではなく、「なぜそう考えるのか?」を知る手がかりになるのだ。
ここでは、仕事・家庭・友人関係の3つの場面での活用例を紹介する。
思考型(T)は事実や効率を重視しがちで、冷たく見えることがある。しかし本質は「論理で判断しているだけ」だ。
感情型(F)は人の気持ちや調和を大切にするため、意思決定が遅く見えることもある。しかし本質は「人間関係を守っている」のだ。
お互いの違いを理解することで、無用な摩擦が減りチームワークが高まる。
感覚型(S)は現実的・実用的で、日常の安定を大切にする。一方で直観型(N)は未来や理想を語るのが好きだ。
この違いは衝突の原因にもなるが、見方を変えれば「地に足をつける役」と「未来を描く役」として補完し合える。
タイプの違いは相性の悪さではなく、むしろお互いを成長させる資源になり得る。
外向型(E)が場を盛り上げるのは「浅い」からではなく、その場を活気づけたいという強みだ。
内向型(I)が静かなのは「つまらない」からではなく、一人の時間でエネルギーを充電しているからだ。
この理解があれば、無理に相手を変えようとせず「その人らしさ」を尊重できる。
このようにMBTIは「合う・合わない」を決めるための占いではなく、人の違いを理解し、受け入れるための共通言語として使うのが正しい活用法である。



「この人はこう考えるタイプだから」って理解すれば、衝突が減るニャ。
さらに、タイプとは無関係に見える言動でも「今のあの人は外向的直観の一面を見せてくれたんだ」と前向きに受け止めることが大切だ。
MBTIはあくまで「性格の傾向を知るツール」であり、能力や適性を測る検査ではない。
したがって、採用や人事評価、結婚や友人選びの決定打として使うのは誤りだ。
こうした決めつけは、本人の能力や経験、価値観といった大切な要素を無視してしまう。実際、同じタイプでも得意分野や人柄はまったく異なる。
MBTIは「適職診断」や「合否判定」の道具ではなく、本人が自分の強み・弱みを理解し、成長や対話に役立てるためのものだ。
「自分はこういう傾向があるから、この仕事では工夫が必要かも」
「あの人はあのスタイルだから、別の視点を取り入れよう」
つまりMBTIは、人事評価の武器ではなく自己理解・相互理解のガイドとしてこそ輝く。



「性格タイプ=能力」って思い込みは危険だニャ。
MBTIはしばしば「性格診断」や「相性占い」として広まっているが、本来は 自分と相手の違いを理解し、コミュニケーションを助けるための心理ツール である。
✅ この記事のまとめ
さらに深く学びたい人は、日本MBTI協会公式サイトから体験セッションを申し込むことができる。オンライン受講も可能なので、自宅から気軽に体験できる。


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